2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生

2049 日本がEUに加盟する日 HUMAN3.0の誕生 の詳細

氏の著作では巷で言われている常識を全く信用せずに、自らの皮膚感覚に基づいて独自の調査を行ったうえで書籍にされている。たとえば、地球温暖化に対して小氷河期の来襲を予測するなど、世の中と真逆の事を言っておられるのが非常に興味を持つ。しかもそれを思いつきで終わるのではなく、世界中の権威と言われるところまで自ら聞きに行き、読者にむけて説明されるという形で本書は展開していく。小氷河期の話も荒唐無稽な話ではなく、太陽の活動など科学的根拠に基づいて、しかし世の中の商業主義に背を向けて持論を展開している。本書を読むと、いかに我々に届く情報が恣意的に取捨選択されているかが良くわかる。テレビニュースなど、しょせん無料で届く情報にろくなものはない。本書のタイトルにもなっている、日本がEUに加盟する日など、今では誰もが一笑に付す話だが、では10年前の今日に日系メーカーの携帯電話事業全敗、シェアリングエコノミーの台頭、世界のアンチグローバル化など誰が予想しえたであろうか。未来は過去の延長線上になく、全くの予想外のところから展開される。その片鱗は世界のいたるところに埋め込まれているのだが、それを普通のひとが発見することは非常に困難だ。本書はその役割を高城氏が行い、読者に対して起こりうる未来の可能性を説明されている。我々読者は、読んで面白かった、ではあまりにもったいない。私も10年後、20年後を見据えて、この本を閉じた時から、自ら次の行動を始めるようにしたい。